BL東京悲願のリーグワン初優勝にも、リーチ主将「寂しさ半分、喜び半分」

2024年 05月 27日

感情の爆発はなかった。5万6486人の大観衆を飲み込んだ5月26日・国立競技場での『NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 プレーオフトーナメント』決勝で東芝ブレイブルーパス東京が埼玉ワイルドナイツを24-20で撃破。『NTTリーグワン』では初、前身の『トップリーグ』を含めると14季ぶりに優勝を果たした。最後の日本一を遂げた翌年に東芝入りしたリーチは『トップリーグ』はもちろん、東海大学、札幌山の手高校でもタイトルに縁がなかった。決勝前日会見の席でも「一度だけでもいいから優勝したい」と渇望し、待ち侘びた瞬間をついに迎えたのだが、その胸中に去来したものは喜びと寂しさだったと言う。

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リーチはノーサイドの瞬間を「『よっしゃー!』という思いが込み上げると思ったが、堀江(翔太)さんの最後の試合だったので寂しさ半分、喜び半分。全国優勝を初めてできて、時間はかかったが、トロフィーを持ち帰ることができて良かった。継続できるようにしないといけない」と振り返った。タイトル慣れしていない光景は胴上げでも垣間見えた。トッド・ブラックアダーHCの後にチームメイトに胴上げされたリーチだが、なぜか身体をピンと伸ばし直立不動の体勢のまま3度舞った。本人曰く「体幹決めてやりました」とのこと。

若手たちの「リーチ主将のため」という思いは強い。バイスキャプテンを務めたHO原田衛は「リーチさんが喜んでくれたのが一番うれしい。リーチさんががんばっている姿を一番見ていたので。今日もどこにでも顔を出してタックルし続けていた。それがうれしい」と笑顔を見せた。

BL東京を指揮して5季目、今季チームを変えるためにブラックアダーHCが最初に着手したのがリーチの主将就任であった。指揮官は「過去のシーズンから多くの教訓を得ていた。去年トップ4に勝てていない。勝利するためには我々は変わらなければならなかった。最初に何をしたか。リーチをキャプテンにした」と述懐した。

リーチとともに名門復活の原動力となったのが、ニュージーランド代表56キャップの司令塔リッチー・モウンガである。ファイナルの舞台でも世界最高峰のSOは卓越したゲームコントロールと洗練されたスキルを披露。クルセイダーズを『スーパーラグビー』7連覇に導いた優勝請け合い人は「我慢強く戦えた。とくに前半最初の20分は自陣に押し込まれて苦しい状況だったが、諦めずにゴールラインを背に守った。(トライ+CGの)7点や(トライの)5点ではなく、(PGの)3点(2本)に抑えられたのは僕たちの小さな勝利となった。それがなければ20~30点取られていてもおかしくはなかった。諦めずに守り切れたのが大きい」と勝因を挙げた。

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