リーチ・マイケル初の日本一「主将として自信取り戻した」直立姿勢で胴上げ3度舞う

2024年 05月 27日

BL東京(リーグ2位)が、前身のトップリーグを含めて14季ぶり6度目の優勝を飾った。今季17戦全勝の埼玉(同1位)に24-20で勝利。低迷を乗り越え、10季ぶりに主将を務めたNO8リーチ・マイケル(35)が自身初の日本一にたどり着いた。今季限りで現役引退する埼玉フッカー堀江翔太(38)は国内最終戦で涙。リーグワン最多観衆5万6486人の前で、歴史に残る激闘を繰り広げた。

リーチはノーサイドの笛を静かに聞いた。ゆっくりと代表の盟友に歩み寄り、握手した。「堀江さんの最後の試合。寂しさ半分、勝った喜び半分。やっとトロフィーを持って帰れる」。4点リードの後半40分、耐え続けた防御を突破され、逆転トライかと思われた。間を置いてのTMO(ビデオ判定)。堀江のパスが前に流れたと判定され、取り消し。紙一重の差だった。

前半10分には低い姿勢で潜り込み、相手トライを阻止。10-6のハーフタイム、ロッカー室で「相手が疲れた顔をしている。いける!」と鼓舞した。逆転されたが、3点を追う後半34分、仲間がタックルを受けながらのパスで右サイドを崩した。途中出場の森のトライで再逆転。客席でメンバー外が抱き合っていた。

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昨秋のW杯フランス大会を終えて帰国後、ブラックアダー・ヘッドコーチ(HC)から10季ぶりの主将就任要請を受けた。同HCは「優勝すると想像した時に何を変えるか。彼に主将で引っ張ってもらうと決めた」。だが、リーチは最初に「大丈夫です」と断った。代表の21年欧州遠征。チームに目を向けすぎ、自身のプレーとのバランスを失った。熟考して引き受け、今は「キャプテンとしての自信を取り戻した」と笑う。

シーズン序盤は厳しさを求めた。結果に関係なく、準備の1週間の検証を習慣づけた。攻撃プランは各自が電子機器で予習。帰宅すると、すぐに練習を振り返る仕組みが整った。最近の趣味はソーセージ作り。マシンはもちろん、腸など10キロ分の材料を用意する。メンバー外が続く南アフリカ出身の後輩2人から「日本でいいソーセージがない」と聞き「一緒に作ろう」と即決。自身の家族とともに難しい塩加減に頭を悩ませた。同じ工程をすでに4度。11年から在籍するチームの良さを「上と下のコミュニケーションにギャップがない」と引き継いできた。

「成績が良くない時も大事な部分、コンタクトのプライドが残っていました」

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