ラグビー日本代表リーチマイケルが現役を続ける理由。あるモンゴル人留学生に託す未来

2024年 07月 16日

日本ラグビー界をけん引してきたリーチマイケル選手の夢。それが「アジアのラグビーを強くする」ことだ。その布石として、リーチ選手が現役選手として活躍する傍らで独自に進めていたプロジェクトの一つが、アジアの高校生を留学生として日本に招くことだった。

ラグビーを通して自身が日本で夢を叶えたように、次世代のアジアの子どもたちにも同じ経験をしてほしい――そんな想いから、リーチ選手が“発掘”した一人のモンゴル人留学生の現在を追った。

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Photo: Yuito Kokubu

ラグビーのリーグワン・プレーオフ決勝で東芝ブレイブルーパス東京が初優勝を決めた日から4日後の5月30日。キャプテンとして自身初の日本一の栄光をつかんだリーチマイケル選手は、札幌山の手高校時代の恩師である佐藤幹夫先生とともに国士舘大学のグラウンドを訪れていた。

「ノロブとは日曜のマイケルの試合の日に会ったのが1年ぶりくらいですかね。でも、全然変わらないですね」(佐藤先生、以下佐藤)

「僕は3カ月ぶりくらいかな。山の手高校出身の選手で日本一になったのは僕が初めてだと思うから嬉しいですね。やっぱり、ノロブには勝つ姿を見せたいですからね」(リーチ選手、以下リーチ)

「リーチさんはいつも通り、凄かったです」(ノロブ選手、以下ノロブ)

リーチ選手と佐藤先生が親しみを込めて「ノロブ」と呼ぶその相手は、国士舘大学ラグビー部でプレーする2年生のダバジャブ・ノロブサマブー選手。リーチ選手が描くアジアラグビーの発展・強化プロジェクトの一つとして、モンゴルから招き入れた留学生だ。

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